初の反復投与試験、PNS年次総会で発表
2024年にカナダ・モントリオールで開催されたPeripheral Nerve Society(PNS)年次総会において、トイベル医師は、CRISPR技術を用いたIntellia Therapeuticsの遺伝子編集治療薬「NTLA-2001」に関する世界初の反復投与試験の安全性および有効性の結果を発表しました。
この試験は、**進行性で生命を脅かす遺伝性疾患ATTRアミロイドーシス(hATTR)**を対象とし、in vivo(生体内)でCRISPR/Cas9を用いて原因となる遺伝子変異を修正することで、長期的な治療効果をもたらすことを目的としています。
遺伝子編集の新時代へ
従来、遺伝子治療では単回投与が標準的な手法とされてきましたが、本試験では、初期に低用量を投与された患者に対して、安全性と有効性が確認された後に、治療用量を再投与するという、全く新しいアプローチが採用されました。
この反復投与の概念は、用量最適化によって治療効果を高める可能性を示唆するもので、遺伝子編集領域における大きな転換点といえます。
トイベル医師のコメント:
「この研究は初めての試みであり、hATTRのような複雑な遺伝疾患における遺伝子編集のアプローチに革新をもたらす可能性があります。」
メディアの反響
この概念実証試験の重要性は高く評価され、以下の著名メディアに取り上げられました:
各社ともに、反復投与による遺伝子編集が持つ変革的な可能性と、それが将来の治療戦略に与えるインパクトを強調しています。
今後の治療へのインプリケーション
このNTLA-2001反復投与試験は、遺伝子編集を現実的かつ持続可能な治療オプションとして確立するための重要な一歩です。
複数回投与の安全性が示されたことで、今後、他の遺伝子治療においても反復投与を視野に入れた試験設計が進む可能性があります。
トイベル医師の洞察は、より広範な適応症への展開、より緻密な用量調整の実現、そして進行性疾患における継続的な治療戦略の構築に向けた道を切り拓くものです。
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Intellia Therapeutics Press Release